プロ野球のドラフト一位というと、当然、才能溢れるスター候補生ということになります。
甲子園で大活躍した選手など、プロ野球チームに入る前から有名ということも珍しくありません。
しかし、ドラフト一位の新人選手は必ず大成するのかというと、そうはならないのがプロ野球の不思議なところです。だいたい二軍にいるけど一軍で試合に出ることもあるという選手はまだいい方で、ずっと二軍で終わったり、二軍でも試合に出られないまま引退したという選手もいます。
なぜ、プロで活躍すると見込んだのにまったく駄目だったのか。それは、担当スカウトが常に悩む点でしょう。そこがスカウトの難しさともいえます。
スカウトが見るのは選手としての能力や将来性だけではありません。プロ選手として恥ずかしくない振る舞いをできるかといった人間性も必ずチェックしていますが、それでも、プロに入ると遊んでばかりになって練習しなくなったり、あるいは精神的に弱く、そもそもプロとしての資質がなかったといえる選手が出てきます。
スカウトの難しさは、外国人選手を獲得する場合にも当てはまります。
大物と騒がれて入団した元メジャーリーガーが三振ばかりですぐ帰国したという例は、どこかのチームのファンなら一つや二つ、必ず思い浮かぶでしょう。
外国人選手の場合、大抵は調査不足というのが失敗の原因です。
メジャーの関係者なら故障をしていて使い物にならないことを知っている選手を獲得するといったことが多いです。
しっかりとした専門の外国人選手担当スカウトが存在せず、代理人が売り込んできた選手の中から獲得するといったチームは何度でも失敗をしてしまうでしょう。