プロ野球のバッテリー間の信頼関係は、守りから試合を作るためにも大事だといえます。特に、投手をリードをする捕手は、扇の要の位置から試合を俯瞰する能力が必要になってきます。それに加えて重要な捕手の資質として、キャッチングの上手さと、盗塁を指すときに必要となる肩の強さがあります。頭脳的なリードや野球の定石の理解は後天的な努力でまかなえますが、キャッチングや肩の強さは生まれつきの天分にも左右される要素です。また、投手にとってバッテリーを組みやすい捕手には、キャッチングや肩の強さが備わっていることが多いです。そのため、捕手として逸材かどうかは、どうしてもキャッチングや肩の強さによって異なってくるといえます。
投手心理では、ストライクゾーンギリギリにボールを投げたとき、捕手の技術でストライクの判定を受けたいと思っています。その点で、キャッチングの際にわざとグラブを動かす捕手は、主審からボールの判定を受けるなど投手にとって良くない結果となります。また、投手が空振りを取るための落ちるボールを安心して投げられる捕手との信頼は重要です。そのため、キャッチングにけれんみが無く、どんなボールでも拾う精神力の強い捕手が投手の信頼を得られます。また、肩の強い捕手と組んだ投手は、クイックで投げることができれば走者に走られないという安心感を持って打者と対戦できます。したがって、肩の強い捕手は投手にとってバッテリーを組みやすい捕手だといえます。
逆に、いくらリード面が良かったりバッティングで貢献できたりしていても、キャッチングや肩の強さが基準に満たない捕手は投手にとって組みにくく、監督にとっても使いにくい捕手だと扱われます。